南大会2連覇中の札幌山の手が小樽潮陵を57-3で下し、21年連続で決勝に駒を進めた。9トライを挙げた攻撃陣の起点となったCTB仲野優輝(2年)は「敵陣に入って丁寧にプレーしてトライにつながることを意識した」。自身にとっても南大会初トライで弾みを付けた。

仲野を含む2年生5人は大阪から花園を夢見て津軽海峡を渡った。強力FW陣でスクラムの要を務めるフッカー山本陽生(2年)が「自由にラグビーができて温かみのあるチームに入りたい」と兄康平さん(大体大2年)がいた同校への進学を決意。仲野、山本陽、山本育弥、太田鼓汰朗は大阪枚岡中出身で、NO8平野龍も同じラグビースクールだった。仲野は「初めは親には反対されたけど、4人と一緒にプレーしたい」と説得して北海道に来た。

寮でも一緒に生活し、食事の出ない日曜日には5人そろって焼き肉に行く。連係はチームの中でも抜群だ。仲野は中学でラグビーをやめようと思っていたが、仲間に励まされて練習を重ねて主力として活躍。3連覇をかけて臨む決勝には母幸代さん(45)も駆けつける。「良いところを見せたい」。中学から徒歩圏内だった聖地花園への出場権まであと1勝。勝って、地元に凱旋(がいせん)する。