2大会ぶりの花園切符を目指す大阪朝鮮高が、完勝で初戦を突破した。サイズ、フィジカルでほぼ互角の関大北陽のアタックを早い出足で止め、1トライに封じた。アタックは相手ゴール前でラック、モールを粘り強く重ね、サイドを突いた。時には大きくワイドに振って、BKの決定力を生かした。奪ったトライは7本を数えた。

権晶秀監督(39)は「この試合にかけて、しっかり準備してきたことで、できました。選手には『手堅くいこう』と声をかけました」という。1月の新人戦で大勝した相手だが、伏兵的存在。ラインアウトなどセットプレーから一発抜かれても「その後10秒粘る。ペナルティーはしない」という決めごとを守り抜いた。

春の近畿大会3位。その後のコロナ禍で「いいイメージだけを持って活動を再開して、チームに慢心が広がった」(権監督)が、ここに来てチームがまとまりを取り戻した。

組み込まれた第2地区では、頭ひとつ抜けた存在とみられる。「それが怖いんです。慢心につながりますからね」と権監督。手堅く、11度目の花園出場を見据えていく。