北北海道は旭川龍谷が遠軽を31-28で退け、初の3連覇で5度目の優勝を達成した。

南北海道は札幌山の手が3年連続19度目の優勝を果たした。9年連続決勝対決となった函館ラサールを47-3で下し、花園全国一番乗り。開催予定の全国大会(12月27日開幕、大阪・花園ラグビー場)には南北優勝校と19日に行われる第3代表決定戦の勝者が出場する。

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本当に苦しいのは、自分たちじゃない。3点リードの試合終了間際、自陣を攻め込まれていた旭川龍谷フィフティーンは両腕やテーピングに記した「5陸斗」「修平」の文字を見つめた。「ケガで出られない仲間の分まで。最後まであきらめず戦った」。FB藤平主将の言葉はチームの気持ち。執念で5年ぶり優勝を狙った遠軽を振り切った。

2度勝ち越しを許すシーソーゲームで2トライのWTB能祖(のそ)旺は「兄のためにも頑張ろうと思った」。兄陸斗は北見工との1回戦で右膝全十字靱帯(じんたい)断裂。全治6カ月以上の診断を受けた後、「俺の分も頑張れ」と伝えられた。コロナ禍での部活休止中も自宅近くの公園で2人で練習を重ねた。陸斗や妻鳥修平(2年)など主力を故障で欠く中での3連覇。能祖旺は「やりきれた」と充実感に浸った。

全国は79年度大会以来の初戦突破がチームの目標。能祖旺は「持ち味のスピードで1対1で負けないようにしたい」と話す。試合に出られずとも、必死に声をからして応援する兄や仲間のためにも全力を尽くす。

▽地元帯広市で初の3連覇を決めた旭川龍谷の小西良平監督(43) 最後まで集中してくれた。ケガをした仲間のためにも頑張るという思いがつながった。

▽2度勝ち越すも逆転で優勝を逃した遠軽・石崎真悟監督(42) (選手に向け)100点ではないが勇気や感動は伝えられた。胸を張ろう。まだ終わりじゃない。もう1回明日チャンスがある。

▽函館ラサールとの第3代表決定戦に臨む遠軽でゲーム主将を務めたフランカー高橋賢 相手は南の強豪。持てる力を全部絞りだして取りにいく。