6勝1敗同士の対決は昨季東地区2位の宇都宮ブレックスが同1位のアルバルク東京を破り、1敗を守った。

リードしては迫られる展開の中、勝負を決めたのは静かな闘志を燃やす比江島だった。1点リードで迎えた第4クオーター(Q)残り2分30秒。味方がつないでフリーの状態でボールを受け取り「相手のファウルも増えていたのでチャンスがあれば思い切っていこうと」と、迷わずに3点シュートを決め、4点差とした。

普段派手なパフォーマンスをあまりしない男が、小さくガッツポーズ。「勝負どころでチームに勢いを付けられた。最後は我慢比べだったけど、勝てたのは自信につながる」と振り返った。

宇都宮在籍3年目となり、主将の田臥がケガで不出場の中、比江島のチームでの役割は大きい。

18年にはオーストラリアでプレー、昨年は米NBAペリカンズでサマーリーグの舞台に立ち、9月にはW杯にも出場した。

普段から多くを語らない男は自身の経験をプレーで仲間に伝え、チームを引っ張っていくつもりだ。

「ディフェンスの意識を常に高めてていこうと。プレッシャーのかけ方だったりポジショニングは毎年良くなってきていると思う」と手応えを感じている。

前節の千葉に続き、東地区のライバルに連勝し、1歩抜け出した。

「相手のホームで勝てたのは価値がある」。リーグ初年度の16-17シーズン以来の優勝へ、比江島がひそかに燃えている。

【松熊洋介】