シーソーゲームを制した川崎ブレイブサンダースは、ベンチスタートの藤井祐真(28)が終盤に得点を量産した。川崎は6連勝。サンロッカーズ渋谷の連勝は3でストップした。

第3クオーター(Q)までは無得点だった藤井だが、第4Q序盤にコートに戻ると、そこから一挙16得点を挙げる大活躍。残り18秒では、遠目から倒れ込みながらのシュートを決めて試合の行方を決定づけた。相手の伊佐監督が「あれを決めるのはリーグで藤井君しかいない」と脱帽したタフショットに、藤井本人は、「まぐれかもしれないが、入れる気持ちで打ったシュート」と胸を張った。

試合の流れを変えられる“スーパーサブ”として、Bリーグの「ベスト6thマン賞」を2年連続で受賞中。さらに昨季は先発選手としても活躍し、「ベストファイブ」と「ベストディフェンダー賞」にも選出された。

今季開幕戦でも途中出場で21得点と存在感を発揮したが、その後の5試合は精彩を欠いていた。再び輝きを取り戻し、藤井は「迷っていた部分が少なからずあったが、きょうは決める気持ちを全面に出せた」と吹っ切れた表情。佐藤監督は、「ようやく本来のプレーが戻ってきた。積極的に縦に攻め込む姿が見られた」とうなずいた。【奥岡幹浩】

○…藤井は静岡・藤枝明誠高時代、ウインターカップ最多記録となる1試合79得点をマークしている。コロナ禍のなかにあっても先日、同大会の開催が発表され、「インターハイなどいろいろな大会が中止になったなか、それでも選手たちは練習を積み重ねてきたと思う。特に3年生にとっては最後の集大成。悔いのないよう、楽しんでやって欲しい」とエールを送った。