バレーボールのVリーグ女子1部の埼玉上尾メディックスが、ホームで姫路と対戦。

新型コロナウイルスの影響で合流が遅れていた埼玉上尾監督のマルコス氏の初陣となった一戦で、チームは逆転負けを喫した。フルセットにもつれる接戦を物にした姫路は、今季初勝利を飾った。

序盤はミドルブロッカーのサンティアゴやオポジットのジョセフ、日本女子代表アウトサイドヒッターの吉野が攻撃をけん引し、2セット連取。その後姫路の逆襲に遭いセットカウントタイに。最終セットは姫路に先行を許す厳しい展開になり、終盤に追いつく粘りを見せたが競り負けた。

マルコス監督はベンチにほとんど腰掛けることなく、どっしりと構えて戦況を見守った。タイムアウト中には肌身離さず持っていた戦術ボードを駆使して、短い時間で的確な指示を与えていた。主将の山岸は「2セット取った後、苦しい展開になり勝ちきれなかった」と、指揮官に勝利を届けることができず悔しんだ。 マルコス監督はもともとVリーグ開幕前の6月に母国ブラジルから来日予定だったが、コロナ禍で4カ月余り遅れた。スタッフを交えて週2回リモート会議を行い、チーム状況をチェック、指導してきた。開幕戦を含む2試合はコーチが代行指揮。5日に来日した新監督は、2週間の隔離期間を経て19日にチームに合流した。

この日初采配を迎えたことに、新監督は「率直に言って、うれしかった」。その反面、残り1セットが奪えず逆転負けを喫したことに悔しさをあらわにした。「合流が4カ月遅れてチームにとっては大きなダメージ。こういう状況になった以上、シーズンを通してどんどん修正していきたい」と気持ちを切り替える。【平山連】