22年北京オリンピック(五輪)出場を決めているアイスホッケー女子日本代表のGK藤本那菜(31=デンソー北海道)が24日、リモートでの取材に応じ、3度目の五輪出場へ意気込みを語った。

14年ソチ五輪では5戦全敗、メダル獲得を目標に臨んだ18年平昌五輪では2勝するも、届かなかった。集大成と位置付ける大会へ「得意な部分より苦手なフィジカル部分を強化した」と意欲を見せる。

日本は過去五輪2大会で、決定力不足の解題が露呈した。一方で1試合通して走り続ける持久力では対抗できたが、パワーとスピードで劣った。現在9月、10月と2度代表合宿を行っているが、コロナ禍でチーム練習が不足しており、実戦練習はできていない状況。藤本那自身も氷上練習ができない中、自宅で似た環境を作り、個人練習に励んだ。「2回の五輪で、フィジカルなど氷上外の部分での強化が大きいと実感した。自粛期間も長かったので、ジムなどでもトレーニングを続けた」と31歳になった今も体力測定数値が上がっているという。春名GKコーチも「トレーニングを積み重ねて上腕のパワーがついている。この歳でもフィジカルが上がっている」と順調な仕上がりに納得の表情を見せた。

技術面でもレベルアップする。今季は積極的な攻撃参加に取り組み「攻めるGK」を目指している。「世界ではパックをつないだりする人もいるが、国内ではほとんどいない。それができるようになれば差も埋められるし、武器にもなる」と前に出てのプレーなど攻撃でも貢献していく。

昨年スウェーデンでプレーするなど海外経験も豊富だが、その分差を感じる部分も多かった。「お手本になる心構えやプレーをしっかり見せたい」とチームを引っ張る立場としての自覚も見せる。「メダルは最低限。夢でなく目標として迎えられたら」と語る31歳の守護神が、仲間の競争意識も高めながら北京五輪に向け、まい進する。【松熊洋介】