鈴木華乃(9=木下アカデミー)がノービスB挑戦1年目で初優勝した。

冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)が単発になったものの、3回転サルコー-2回転トーループに付け直して成功。「単発になってしまった部分は反省ですけど、サルコー、ダブトーを跳べたのが、うれしかったです!」と波に乗った。

スケーティングも、フライング・シット・スピン(跳んで座るスピン)で最高評価のレベル4を獲得するなど129センチの体を懸命に動かし、71・60点。2位と0・01ポイント差の大接戦を制した。近畿選手権を制した勢いで日本一までジャンプアップした。

演技後は「スケートは4歳から始めました。踊ったりするのが好きなので楽しいです」と初々しさ全開。ディズニー作品「アラジン」をイメージした衣装について「韓国のキム・ヨナさんと同じデザイナーの方に作ってもらいました。キラキラが、いっぱい付いているところが好きです」と、はにかんだ。

憧れの選手を聞かれるとユ・ヨン(韓国)の名を挙げ「演技力もジャンプの幅もあるし、スタイルもいいので好きです」。衣装も「ユ・ヨン選手と同じ衣装にしてほしい、とお願いしました」と、キム・ヨナさん関連のデザイナーに依頼するきっかけになったのがユ・ヨンだったことも、大ファンであることも、しっかり紹介した。

プログラム「TheBigShip&FriendLikeMe」の振付師はキャシー・リードさん。「アラジンのジーニー(ランプの魔人)のように自分の中で踊ってね、と言われています」と受けている指導の一端を明かし「曲は、選んだのは私です。とても乗れる曲かなと思って。実写版の映画も見た。アラジン、大好きです」と最後まで笑顔だった。

来月10歳になる。将来の夢を尋ねられると「オリンピックに出たいです」。続けて「2030年が目標です」とはっきり口にした。まだ開催地は決まっていないものの、再び日本の札幌に来る可能性がある冬の祭典へ。その第1歩となる世代女王に、まずは9歳で輝いた。【木下淳】