新潟工が17大会連続45回目の優勝を決めた。開志国際とのシーソーゲームを22-14で制した。66年度から同校が記録した連続出場の県大会記録(16連覇)を更新した。12-14の後半20分、ラックの連続から認定トライに持ち込み、逆転に成功。後半に入り、伝統のFW戦で2度リードを奪って勝負を決めた。開志国際は北信越代表枠「1」を争う信越ブロック代表決定戦(15日、長岡NT)に回る。

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ノーサイドの笛が鳴った。うなだれる開志国際フィフティーンのそばで、新潟工のメンバーが大きく息をついた。「うまくいかない場面もあったけど、結果的に汗をかいて攻められた」。激闘の末、歴史を塗り替える17連覇。NO8稲村心主将(3年)はほっとしたように笑みを浮かべる。前半に7点先制され、後半もリードされた。余裕はなかった。ただ、冷静さは失わなかった。

決着をつけたのは伝統のFW戦だ。12-14の後半20分、ゴール左からFWがラックの連続で前進。インゴールに持ち込むところで、相手が反則でトライを阻止したと判定。認定トライ(1トライ1ゴール)で逆転した。後半開始2分に12-7と一時、勝ち越しのトライを決めたFW仲村太智(3年)は「FWを軸にした」。少人数で起点を作り粘り強く前に。後半だけで5つの反則を奪った圧力が認定トライにつながった。

樋口猛監督(47)は「『これぞラグビー』といういい試合。心と体をぶつけあった」と選手をたたえた。新型コロナウイルスの影響で今季行った練習試合は8月の2試合。県大会を含め実戦は5試合だけ。恒例のOBとの試合もできなかった。その分、普段の練習で試合の局面を想定し、繰り返した。

土壇場でFW戦に注力したのも選手の判断。試合中に自分たちで修正した感覚を、今度は花園で生かす。「精度を上げたラグビーをしたい」。全国大会は12月27日開幕。悲願のベスト8へ、稲村主将は聖地での試合に目を向けた。【斎藤慎一郎】