トヨタ車体のミドルブロッカー荒木絵里香(36)がVリーグ通算出場セット数の新記録を樹立した。この日は先発で4セットに出て、通算1319セット。山口舞(岡山)の記録を2セット更新した。

荒木はチームが開幕5連敗となったため「悔しい気持ちでいっぱい。自分もいい働きができず、ふがいないです」と笑顔はなかったが、17年かかった記録には感慨深いものがある。

名門・高校バレーの強豪成徳学園高を経て、Vリーグは東レを皮切りに2003年(平15)12月7日の茂原戦でデビュー。「あの試合の緊張と興奮は今も鮮明に覚えています。そう考えれば、短かったようだけど、1つ1つのことを考えれば、すごく長かったですね」。当時は海外、五輪出場にばかり気持ちが向いていたという。

08年北京五輪でベストブロッカー賞を受け、イタリアのプロリーグにも移籍。12年ロンドン五輪は主将で銅メダル獲得に貢献し、結婚、出産を経て、今も第一線で活躍する。「長く(現役を)やりたいとは思っていましたが…。本当にたくさんの方々の支えがあったおかげ。プレーを続けていくことで、誰かにエネルギーを与えられたらうれしいです」と話した。