日本体操協会の水鳥寿思男子強化本部長兼監督(40)が10日、静岡市内の常葉大橘中高で講演会を行った。「自己実現に必要なこと」をテーマに、目標達成へのマネジメントの大切さやイメージトレーニングの方法などを丁寧に語った。04年のアテネオリンピック(五輪)で男子団体金メダルに輝くなど、現役時代を通じて培った経験を惜しみなく伝えた。

リモートでの視聴も含めて同校の生徒約1000人が、特別授業に耳を傾けた。最後に、生徒会長の内海七瀬さんと同役員の海老名杏奈さん(いずれも同高2年)があいさつ。感謝の言葉とともに「私たちも今後、進路について大きな壁が現れた時、本日のお話を心に留めてチャレンジしていきたいと思います」と述べた。水鳥氏は「何か1つでも自分に置き換えて考えてもらえたらうれしい」と、語りかけた。【前田和哉】

◆水鳥寿思(みずとり・ひさし)1980年(昭55)7月22日、静岡市生まれ。6歳で両親経営の「水鳥体操館」で本格的に体操を始める。関西高(岡山)-日体大。卒業後は徳洲会に進み、05年世界選手権で個人総合2位に輝くなど活躍。12年5月に引退した。同年ロンドン五輪後に男子強化本部長兼監督に就任。16年リオ五輪では団体金メダルに導いた。