華麗な演技で観客を魅了する。昨年11月の全日本ジュニア新体操選手権で男子個人総合5位入賞を収めた谷津敬直(たかなお、白石中3年=ホワイトキューブ新体操教室)が、高校進学後の飛躍を誓った。

日本発祥の男子新体操は各1分半の演技時間でスティック、ロープ、リング、クラブの4種目を音楽に合わせて演技し、技術や芸術性などを競う。当時2年生の谷津は同選手権で「周りの勢いに押されて、周りが上手に見えた。そのおかげで自分との勝負と考えて、良い演技ができたと思う」と、得意のスティックで種目別2位、ロープで4位に入った。

谷津を指導する佐藤秀平さんは「体の細さに兼ね備えた体のしなやかさを持っている。動きの面に関しては全国の高校生のトップレベルにも引けを取らないと思う」と素材を評価する。しかし今年はコロナ禍が屋内競技の新体操に大きな影響を与え、同選手権などの主要大会は中止に。練習場も約3カ月は閉鎖に追い込まれ、谷津は「悔しさが出て、一時期はやる気もなくなった」と気落ちするも、「高校でも競技は続ける気持ちだった」と自分に気合を入れた。自宅で可能な方法で柔軟性の維持と体幹を鍛え、モチベーションを保った。高校での目標は全国総体優勝などを設定する上で「全国1位よりもかっこいいなとか、人に印象が残る選手になりたい」と話す。持ち味を発揮した演技を披露するため、進学後も挑戦を続ける。【相沢孔志】

◆谷津敬直(やつ・たかなお)2005年(平17)5月1日生まれ、東京都新宿区出身。3歳から宮城・白石市在住。6歳の時にホワイトキューブ新体操教室で競技を始め、主な競技成績は白石中2年時に全日本ジュニアで総合5位など。170センチ、55キロ。家族は両親と妹。趣味はバスケットボール。好物はそば。