前回花園王者の桐蔭学園が、接戦を物にして6年連続19回目の優勝を飾った。神奈川県予選決勝で東海大相模を19-17で破った。苦戦を強いられたが、花園2連覇へ向けた挑戦権を獲得した。

ノーサイドの笛が鳴っても、僅差の末に勝利を収めた桐蔭学園の選手たちの表情はさえない。笑顔はなく、疲労の色が浮かんだ。2点差まで詰められた東海大相模に押されるシーンも多々あり、NO8の佐藤健次主将は「チームにはしんどい時に笑って楽しもうと言っていたんですが、徹底できなかった」。選手たちの間でも不満が残るゲームとなった。

前半4分にWTB矢崎由高(1年)、同12分にロックの青木恵斗(3年)がトライをあげ12-10で折り返した。その後は東海大相模の堅固なディフェンス陣に苦戦して均衡が破れなかったが、後半20分に青木が中央からこの日2トライ目を挙げて突き放した。アディショナルタイムに東海大相模にトライを許したが、粘る相手に競り勝った。

苦戦を強いられた要因について、藤原秀之監督は「ボールをもっと動かしてほしかったが、プレーメーカーが不在だった」。コロナ禍で試合経験が積めなかったことが決勝戦で現れたと指摘し「負けるべくして負けるゲーム内容だったが、こういった接戦を物にして反省点が出たのが大事」と前向きに捉えた。

花園連覇を目指す上で、いま一度チームを1つにすることが必要と語る佐藤主将。「自分たちの強みはどこにあるのか、どんなラグビーがしたいのか。みんなで話し合って共有したい」。この試合を糧に本大会で一回り成長した姿を見せたいと意欲を見せた。

【平山連】