早大の初の関東3連覇はならず、3年連続7度目の甲子園ボウル出場も逃した。勝てばBブロック1位となる明大戦で前半は14-14と同点。第3Qも先行されたが再び追いついたが、第4Qに勝ち越しTDを許した。反撃も届かずに21-28で振り切られた。

1勝1敗の勝ち点3でブロック3位となり、28日に5位決定戦でAブロック3位の東大と対戦する。明大は2勝1敗で2位。桜美林大は同率も明大に勝利のために1位となった。

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早大は序盤、攻守ともいいところなく、第2Q中盤で明大に0-14とリードされた。ここからQB宅和がパスでリードし、同点として折り返した。高岡監督は「前半はしんどいのがわかっていた。同点で御の字」だった。

後半も相手にミスに付け込み、RB吉沢が2本目のTDランで再び追いついた。第4Qに3度目のリードを許すと、敵陣まで攻め込むも詰め切れなかった。

コロナの影響は多大だった。10月10日の桜美林大との開幕戦勝利も、11月2日の立大戦前に感染者が出た。立大戦は中止、部活動も停止となった。チーム練習再開は試合4日前で、フットボールの練習は3日だけだった。

1カ月ぶりの2戦目で、明大は1勝1敗も2試合こなしていた。明大はすでに1位の望みは消えていたが、練習量も大きな差があった。コンディション、体力、コンタクト、プレー精度……。「スピードがあきらかに違った。タックルも1カ月生で練習していないので」と、要所で明大のランを止められなかった。

8月にも感染者が出ていた。2度までもチームは振り回されてしまった。今回は運動部合同寮部員の感染で、他部にクラスターが出ていた。すぐに他の寮に移り、1度は陰性反応もその後に発症した。高岡監督は「大学としっかり対策はとってきた。真面目に生活していてもうつる病気」と悔し涙がにじんだ。

それでも関東王者として、最後まで望みを捨てずに攻撃した。残り7秒から宅和がQBサックされて甲子園ボウルへの道を絶たれた。高岡監督は「最後まであきらめなかった。4年がよく引っ張ってくれた。感染した選手も活躍した」と褒めた。

DB大西主将は足のけがで今季初出場だった。試合出場は、実に昨年の甲子園ボウル以来となった。独走TDを阻止するタックルで、最後の砦の存在感を発揮した。「スピードだけが持ち味なのに、すごく遅くなっていた」。後半は後輩に交代する場面もあった。

勝てば日大との決戦だった。春の活動自粛中は日大のビデオばかり見て、分析し尽くしていた。「負けることなんか考えてもいなかった。日大に勝って甲子園に行くだけと」。試合後は放心気味だったが「長いシーズンだった。最後は東大戦で憂さを晴らしたい」と気持ちを切り替えようとしていた。