初の大舞台で勝利をつかむ。ハンドボール日本選手権(12月2日開幕、岡山)に、10月の北海道学生選手権で優勝した北海学園大が初出場する。コロナ禍で各地方の日本選手権予選が中止となり、今回は特例措置として、北海道学生王者の同大が、北海道代表として推薦された。新型コロナウイルス感染者が再び増え始めたことで練習時間が半減も、ハンディをはねのけ初陣1勝を目指す。

初戦は高松大(四国ブロック・香川県代表)と対戦。富所良介主将(3年)は「昨年もインカレに出ている強いチームだが、自分たちの持っている力を、しっかり発揮したい」と意気込んだ。道学生選手権は準決勝で昨年の道学生リーグ王者、札大を28-26で下し、決勝は北大に22-21と競り勝ち頂点に立った。準決勝、決勝で計17得点を挙げた坊野泰生(たいき、4年)は最優秀選手に。左45度の得点源は全国1勝へ「ミスを減らし、いかに決定力を上げるかが勝つためのカギ」とポイントを挙げた。

コロナ禍で満足に練習時間は取れないが、限られた条件の中で最善の準備をする。道学生選手権までは週4回程度あった全体練習が、道内の感染拡大にともない11月下旬から週2回程度に縮小された。時間も3時間から1時間半に。練習前後の消毒時間も入れると1時間程度しか練習できないが、坊野は「少ない時間をいかに有効に使うか」と、決してあきらめない。

41年ぶりの北海道学生王座からの夢舞台。前回道制覇した創部メンバーの1人、山上直樹コーチ(62)は「どこのチームもうちより強い。だが、北海道代表として出るからには精いっぱい戦いたい。早い流れの展開にもっていければ」。1期生指揮のもと、新たな歴史を刻む。【永野高輔】

◆ハンドボール日本選手権(男子の部) 実業団、学生などが出場するオープン大会で、37年(昭12)に東京で第1回大会開催。戦時中の中断などを経て今回が72回目。今年度は昨年度王者の大崎電気など日本リーグ11チームに筑波大、日体大の日本協会推薦2チーム、各ブロック代表11チームの計24チームが出場。トーナメント方式で日本一を争う。女子の部は12月23日から石川・金沢で行われる予定。