ヴォレアス北海道に新加入した元日本代表リベロ渡辺俊介(32=江別中央中出)が初出場初先発で勝利に貢献した。

11月22日の前回対戦で今季唯一の黒星を喫している大同特殊鋼の強打を何度も拾い、得点が決まる度に大きな身ぶりで歓喜した。2季ぶり日本での復帰戦に「コートに立てたのはたくさんの方に支えてもらったおかげ。プレーができてうれしく感じる」と喜んだ。

2セット連取で迎えた第3セット。一時は9-14と5点のビハインドを負うも、渡辺はコート内外で大声を出して味方を鼓舞。25-22の逆転でこのセットを奪い、先月ストレート負けした相手に借りを返した。昨季V2のトップ選手で通算72・3%だったサーブレシーブ成功率では、この日87・5%を記録。前回対戦時の映像を研究して安定した守備で勝利に貢献した背番号8は「プレーで恩返しすることができた良かった。(コートで)大声を出しても違和感ないぐらいの(手拍子やハリセンによる)応援をしてもらった」とファンに感謝した。

昨季は順大卒業に8年間在籍した1部東レを離れ、ドイツ・ブンデスリーガ1部のエルトマンでプレー。「球のスピードやブロックの高さに驚いた」。コロナ禍で打ち切られた昨季のシーズン終了後の3月に帰国。欧州での経験をつなげるためにも今季の所属先を探したが決まらず。「正直に言うと無職だなと思った。引退かな」。それでも現役続行を目指し10月に入り故郷の北海道で練習を続ける中で、ヴォレアス北海道から声がかかった。1部昇格を目指すチームからのラブコールに「熱いチームでプレーしたい」と中学まで過ごした地元チームへの入団を決めた。

チームは年内リーグ最終戦を終えて、通算10勝1敗。コロナ禍で入れ替え戦が中止となった昨季に逃した1部昇格への挑戦権を獲得するためにも残り9試合は負けられない戦いが続く。渡辺は「自分はもっともっとできると思っているし、チームも今よりもっと良くなれる」。積み重ねてきた経験で、チームをより1段階高いレベルに引き上げる。【浅水友輝】