一貫教育で鍛えた力を全国1勝で示す。全国高校ラグビー大会が27日、大阪・花園ラグビー場で開幕する。100回記念大会枠で出場の函館ラサールは27日の1回戦で長崎北陽台(長崎)と対戦する。花園初出場時の15年に、現在主力の3年生は中学1年。大舞台で活躍する先輩のプレーを見て夢抱き、中学から6年間、練習を積み重ねてきた成果を、夢のステージで披露する。

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3年ぶりに函館ラサールが高校ラガーマンの聖地に立つ。主将のSH米重皓己(3年)は「自分たちのラグビーを出し切って、見てくれている人に、良かったと思ってもらえるような戦いを見せたい」と意気込んだ。宇佐見純平監督(39)は15、17年度に部長として経験。監督として初の花園に向け「選手を最高の状態で送り出したい」と気を引き締めた。

チームをけん引する現3年生は、花園初出場した15年当時の中学1年。米重は高校1年だった兄颯己(さつき)さん(早大2年)がベンチ入りしていた5年前の1回戦を、花園のスタンドで観戦した。12-42の敗戦だったが「強い相手に食い下がり、エキサイトした。今度は僕たちが、このラサールで成長した姿を見せる」。くしくも相手は同じ長崎北陽台。先輩たちの粘り強い戦いを手本に、リベンジを果たす。

中高一貫指導で、心身ともに鍛え上げてきた。花園に初出場した15年から、シドニーオリンピック(五輪)柔道金メダルの井上康生氏らも指導した小田千尋コーチ(48)が本格指導。中学では走り込みなどで基礎体力をつけ、高校で負荷の高い練習を課して強化。ボールを1度も使わない走力主体の過酷な「小田トレ」の日が週2回あり、米重は「きつい練習をみんなで乗り切ろうという思いが、体力と精神両面を鍛えることにつながった」。花園1勝を掲げ突き進んできた6年間の成果を出す。

15、17年度は南北海道大会を制しての出場。今回は南大会決勝で札幌山の手に敗れるも、北海道第3代表として全国切符をつかんだ。米重は「負けたことは不満だが、貴重なチャンスを手にした。函館ラサールの存在感を示したい」。敗戦から学んだ糧も生かし“三度目の正直”となる全国1勝をたぐり寄せる。【永野高輔】