3度目の出場となった函館ラサール(北海道ブロック)の、悲願の初勝利はならなかった。主将のSH米重は「あっという間に終わっちゃって…。もちろん悔いが残るとも思ったんですけど、自分たちがやりたいことはしっかり出し切ったんですけど、(長崎)北陽台さんが一枚も二枚も上手で。完敗です」と相手の力を認め涙を流した。

ペナルティーゴールで先制を許した直後の前半5分、守りでプレッシャーをかけると、自陣10メートルライン付近でターンオーバーからSO川村が抜け出し逆転トライ。コンバージョンキックも成功し、幸先のいいスタートとなった。しかし、長崎北陽台に連続トライを許すとペースを握られ、前半で22点差に。後半も勢いづいた相手を止められなかった。それでも後半終了間際に、CTB安永が意地のトライ。キック成功直後にノーサイドとなったが、最後まで攻め込む姿勢で諦めなかった。

米重を始めとした選手たちは、感謝を胸に試合に臨んでいた。「僕たちは今年コロナとかいろいろあって、多くの方々に支えられながら、ラグビーをしてきたので、そういった方たちに恩返しして、感動を与えられるようなラグビーをしようってみんなで言ってきたんですけど、結局勝てなくて、でも少しでも感動とか勇気を与えられたなら報われるのかなと思います」。函館ラサールは、1967年(昭42)に創部。花園初勝利は次回に持ち越された。