天理大(関西1位)は2季前の決勝で敗れた明大(関東対抗戦1位)に41-15で雪辱。悲願の初優勝へ2大会ぶりに挑戦権を得た。

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悲願の初優勝を目指す天理大が、2季前の決勝で敗れた明大に6トライで雪辱を果たした。19点リードの後半33分、トンガ生まれのCTBフィフィタが防御ラインを突破し、右大外を走るWTB土橋へのパスでダメ押しのトライを演出。2年時に試合終了間際の自身のノックオンで明大に屈したフィフィタは「4年生でラストの年。この試合のためにずっと準備してきた」と日本語で語り、涙した。

8月には新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)となり、約1カ月間のチーム活動休止。夏合宿は中止で、今季初遠征だった。堅い防御で明大の攻撃を止め、7点リードの前半36分にはラインアウトの苦戦を考慮して、速攻から主導権を握るトライ。全国的に無名な大阪・大産大付出身のSO松永は「2年前は自分が未熟だった。継続すればトライを取りきれる自信がある」と言い切った。

天理大として3度目の決勝は、3連覇した84年度の同大以来、関西勢36大会ぶりの優勝が懸かる。小松節夫監督(57)は当時同大の1年生。早大には2年時に4連覇の夢を阻まれ、CTBで先発した4年時も決勝で10-19と屈した。知将は「もちろん明治さんに勝てたのはうれしいが、日本一を目指す中で、もう1試合できるのはありがたい」と喜んだ。天理大の、関西の歴史を変える。【松本航】