全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)が5日、東京体育館で開幕する。男子で2年ぶり13度目出場の東京学館新潟は5日の1回戦で高身長メンバーがそろう佐賀学園と激突する。チームの精神的支柱で、プレーでもキーマンとなる川辺洋介主将(3年)が8強入りへ、チームをけん引する。

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主将の川辺は集中して最後の調整を行った。自ら嫌われ役を買い、チームメートに厳しい言葉も伝える。「川辺は練習中は一切、抜かない。周りも納得せざるを得ないくらいに精神的支柱となっている」と渡辺健太郎監督(36)も厚い信頼を寄せる。

ライトで攻守の要を担う。サーブカットなど1本目の役割を果たし、守備の意識も高く持つ。得点を持ってくるところと、相手の嫌なところに返してつなぐことを意識。「自分がしっかりと攻撃を返せばチームがいきる。チームがいきれば自分もいきる」と返球率の高さと幅の利かせた攻撃に自信をのぞかせた。

2年前の春高は1年生ながら年末合宿でスタメンを勝ち取った。だが大会直前にインフルエンザにかかり、不出場になった。「当時は相当、悔しかったが、大会に照準を合わせられなかった時点で仕方がなかった」と最上級生になり、当時を冷静に振り返ることができる成長ぶりもみせる。チームメートにも体調管理の徹底を呼びかける。

インターハイが中止になり、最初で最後の全国大会。最後まで諦めないチームカラーを「武器」に、まずは初戦突破。チームを引っ張る川辺は8強を目標に掲げ、大会に挑む。【飯嶋聡美】