男子でワールドカップ(W杯)開幕メンバーの伊東大貴(35=雪印メグミルク)が、帰国後復帰戦で3位に入った。先月26日の帰国後、14日間の自主隔離期間を都内で過ごし前日10日に札幌へ移動。この日が約3週間ぶりのジャンプというぶっつけ本番にも、しっかり表彰台をたぐり寄せた。「コンディションは完璧ではなかったかもしれないが最低限は出せた。出るからには優勝したかったので、ちょっと悔いは残るけど」と振り返った。

伊東にとって壮絶な14日間だった。ひたすらホテルの部屋で過ごす日々。最大15キロのダンベルを使ったトレーニングや数メートルを行ったり来たりする「徘徊(はいかい)だ」と笑うランニングくらいしかできなかった。室温を上げて厚着し、なんとか汗を出せるように工夫。食事は届けられる弁当にプラスして、所属先から届く自社の乳製品などを摂取して補った。メンタル面で厳しさを感じたが、「この試合があったので、それに向けてという一心で、なんとか奮い立たせた」。その言葉どおり解放感をあふれさせ、2回目には131・5メートルと好飛躍を見せた。

W杯は開幕戦から個人7戦に出場し、最高21位。予選落ちする試合もあった。「向こうに行ってなかなかかみ合わなかった」と、日本での再調整を志願して帰国した。復調を目指し2月の世界選手権(ドイツ)のメンバー入りも視野に入れる。うし年の年男は「モ~烈に頑張りたい」と、ちゃめっ気たっぷりに意気込んでいた。【保坂果那】