カーリング北海道選手権が13日、北見・アドヴィックス常呂カーリングホールで無観客で開幕する。女子で昨年準優勝の北見工大は全員が4年生で、多忙な学生生活の合間を縫って練習を重ねてきた。出場枠は男女優勝チームのみ。大学ラストシーズンで現メンバーでは初、開催地枠で出場した15年以来2度目の大舞台を目指す。

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全員が3月に卒業を迎える北見工大のインテリカーラーは4年間の集大成として地元リンクに立つ。オホーツク予選を1位通過し2年連続で出場枠を獲得した北海道選手権の舞台。スキップ斉藤茉由美は「4年生みんなで出られる最後の試合。カーリングを楽しくやりながら、しっかり勝ち抜いて日本選手権に出場したい」。14年ソチ五輪5位の北海道銀行ら強豪チーム相手にひるまず戦い抜く。

全員が道外出身で、競技を始めたのは大学入学後。テニスやバスケットボールなどに打ち込んだ選手で構成され、中高バドミントン部の斉藤は「(各競技の経験から)いろいろな見方ができる。それは生きている」という。結成3年目の昨年は日本選手権こそ逃したが、北海道選手権で準優勝。道外遠征も実施するなど大きな経験を積んだ。

「カーリングストーンが曲がるメカニズムの解明」を研究する斉藤を始め、学業やアルバイトで練習時間は限られるが、今季は10月末にアルゴグラフィックス北見カーリングホールが誕生。ストーンの軌道などをテクノロジーで分析する研究拠点でもある同施設は徒歩5分圏内で「昼休みの空き時間でも利用できて頻繁にアイスに乗ることができた」。コロナ禍で対外試合が減った分、最新施設で隙間時間を活用し連係を深めてきた。

チームの最大の持ち味をフィフス宮川陽莉は「諦めずに最後まで戦い抜けることと仲の良さ」と説明。互いの家に寝泊まりし親睦を深め、コロナ禍以前はよく外食もともにした。何げない話題で弾む会話は料理が運ばれると静まる。黙っていても落ち着く家族のような存在になったチームは卒業と同時に解散する。斉藤は「1試合でも多く試合がしたい、1投でも多く投げたい」。仲間と長くリンクに立つために、目標は日本選手権切符を意味する優勝だ。【浅水友輝】