新型コロナウイルス感染拡大が続く影響で、今月16日に開幕するトップリーグ(TL)第1節2試合の中止が発表された12日、TLの太田治チェアマンがオンラインで会見した。

中止になったのは16日のサントリー-トヨタ自動車(豊田ス)と17日のキヤノン-リコー(東京・駒沢)の2試合。新型コロナの陽性者が出たのはサントリーから7人、トヨタ自動車から13人、キヤノンから24人と大量で、各チームと協議の上で決断した太田氏は「ファンの皆さまには申し訳なく思っている。世界的に感染拡大している中、政府方針を受け、安心安全を担保しつつ開幕に向けて準備をしてきたが、コロナの怖さ、脅威を感じた」と率直に語った。

陽性者については「幸いなことに、感染した選手の中で重症化した人は1人もいない。1日にも早い回復を祈っている。今後も予防策を講じ、状況をチームの皆さんと共有しながら行動管理の徹底、安全な大会運営を目指して、成立に尽力したい」と話した。

また、国立競技場で行われる16日の開幕戦でNTTコムと対戦する東芝にも陽性者2人、濃厚接触者5人が出たことに関しても言及した。中止にする考えはあるか聞かれると「ございません」と否定し「今のところは、そういう状況(開催)になる」と答えた。決断材料がそろっていないのが実情で、現段階で国立開催の中止はない、との考えを示した。

東芝は8日から活動を停止。全選手、スタッフの自宅待機を指示している。練習不足を理由として開催しない判断があるのか尋ねられると「そこは現在、チームと協議している。逐一、情報共有していく」と説明した。最終的には、当該チームを含めた全チームからの報告が、リーグには14日に上がってくるという。「陰性が確認されたチームもあるが、まだ情報がないチームもある。すべて出そろった時点で公表したい」とした。

サントリーに加入したニュージーランド代表SOボーデン・バレットら複数の世界的選手について、海外メディアから陽性かどうか個別に確認されたが「個人名の公表は、いたしかねる」とかわす場面もあった。

◆今季のトップリーグ 16日に開幕し、15都府県27会場で開催する。第1ステージ(S)は16チームを2組に分けて、1回戦総当たりのリーグ戦を行い、各チームが7試合戦う。第2Sは、その成績を受けて組み合わせが決まる。下部のトップチャレンジリーグ上位4チームを加えた計20チームを4組に分け、総当たり戦を実施する。3月26日から始まり、各組上位2チームの計8チームが決勝トーナメントに進む。決勝は5月23日に秩父宮で行う予定。