南北海道の男子大回転は山中新汰(あらた、札幌第一3年)が初優勝した。1、2回目ともにラップを奪い、ただ1人、2回合計1分台となる1分59秒98。昨年の高校総体で同種目を制した2位黒岩樹生(東海大札幌3年)に2秒05差をつけ「文句なしのぶっちぎりでしたね。黒岩から『俺もいい滑りだったが、お前の方が速かったな』と言われ、素直にうれしかった」と、してやったりの表情だった。

もともとは1年時の高校総体回転で4位に入った有望株だったが、2年時の10月にスキーメーカー主催の海外遠征(米国など)で両足親指の凍傷を患ってスキー人生に狂いが生じた。「周囲には終わったな、と思われていたはず。それでも技術面で劣っているとは思わなかったし、何より絶対に負けたくなかった」。

実家はソフトクリームなど乳製品で有名な赤井川の山中牧場。コロナ禍で学校でのトレーニングができない時期も、牧場の手伝いをしながら、敷地内の施設でフィジカル面を鍛えた。「体重は5キロアップし、前へ前へ攻める滑りができるようになったことが大きい」。今日15日は得意の回転で2冠を狙う。【奥村晶治】

<女子は嘉屋美咲が1年生女王>

南北海道の女子大回転は嘉屋美咲(東海大札幌)が1年生女王に輝いた。1回目1分4秒99でラップを奪い、吹雪の中で行われた2回目も冷静な滑りで逃げ切った。「(2回目は)先輩たちが追ってくると思いましたが、勝ててうれしいです。緊張しました」と初々しく笑った。