ともに初決勝の男子シングルスを制したのは及川瑞基(23=木下グループ)だった。4-3で森薗政崇(25=BOBSON)を下し、初優勝。1-3と追い込まれ、一時はマッチポイントも握られたが、そこから巻き返し、悲願の戴冠。「最初はナーバスになっていたが、決勝の舞台なので思い切ってやろうと切り替えられたのが良かった」。

準々決勝では優勝候補筆頭の張本智和を破った文句なしの優勝。「強い選手とやって勝ち上がってきたので、決勝でもいけると思っていた」。その張本とは仙台ジュニアの同門出身。及川が5、6歳の頃から約7年ほど練習をともにした。張本から「最終日も頑張って優勝して」とメッセージをもらった。

昨季まで約7年、ドイツに卓球留学してきた苦労人でもある。ブンデスリーガでの経験が「試合でのひらめきは海外でプレーしたことが生きている」と納得の表情。

日本一に輝いた。今後の目標を聞かれ「全日本が取れたので今後はどんどん世界で活躍したい。パリ五輪では、メンバーに食い込んでいけるように頑張っていきたい」と語った。【三須一紀】