新型コロナウイルス禍の中で2月8日に開幕する予定のテニスの全豪オープンは厳格な対策や対応が求められる。開催地メルボルンで本番に備える選手から困惑の声が出ている。

オーストラリアでは感染が抑えられていたが、昨年12月にシドニーでクラスター(感染者集団)が発生し警戒感が強まった。AP通信によると米国や中東からのチャーター機でメルボルン入りした選手、関係者から複数の陽性者が出たことで、同乗した70人以上の選手はホテルの部屋から2週間、外出を禁じられた。

錦織圭(日清食品)が公式アプリで「2週間じっとしていた後に試合をすることはリスクしかないが、しょうがないので前を向いて毎日過ごしていきたい」と語るなど、選手の不満や諦めの言葉が会員制交流サイト(SNS)などに漏れる。

錦織は「部屋から1歩も出られない」状態で、軽い運動や素振りしかできないという。昨年9月末の全仏オープン2回戦で右肩を痛め、実戦から遠ざかっている。2月1日に開幕するATPカップに出場を予定しているが、調整不足での復帰戦になることは確実だ。

女子世界ランキング12位のベリンダ・ベンチッチ(スイス)は部屋の中で窓ガラスに向かって軽くボールを打つ様子を投稿。全豪に出る選手は全員が到着後2週間の隔離生活を送りつつ、その中で1日5時間はホテル外で練習できる規則になっていた。ただ、準備をしていた練習が直前の連絡でキャンセルとなったことを日本から渡った女子の土居美咲(ミキハウス)が明かすなど、主催者側の運営も混乱している様子だ。