今季の全日本選手権で3位に入った鍵山優真(17=神奈川)が、底知れぬポテンシャルを発揮した。

3つのジャンプを全て着氷させて95・12点で首位。全日本選手権SPでは98・60点をマークしたが、今大会はいつものシニアではなく、ジュニア課題だった。4回転を抜いたジャンプ構成で3・48点差に迫った。

演技後の取材エリア。少し戸惑いながら明かした。

「ちょっとさすがに出過ぎたかなと思いました。出ても90点ぐらいと思っていたので。なんにもいえないです。これ以上(の言葉)もないのかなと思います」

冒頭でフリップ-トーループの連続3回転を着氷させ、3回転ルッツ、トリプルアクセル(3回転半)につなげた。体を大きく使って世界観を表現。4回転ジャンプはなくても、得点が質を物語っていた。「今日はジュニア課題ですけれど、一番いい演技ができたので、とても良かったと思います」。ステップや、つなぎの部分にもこだわり、滑り終えて笑顔を見せた。

新型コロナウイルスの影響で開催が心配されるが、3月の世界選手権(ストックホルム)代表に名を連ねる。今大会の次はシニア1年目で迎える大舞台。優勝した全国高校選手権(長野)のフリーから中3日だが、17歳の言葉は頼もしい。

「(連戦で)体力が失われていく訳ですし、集中力だったり、2戦目は集中力と体力の勝負だと思っている。それさえあれば自分のジャンプを跳べる。集中力が一番大事だと思います」

フリーは28日。最高の演技で弾みを付ける。【松本航】