女性問題による2カ月半の活動停止が明けた瀬戸大也(26=TEAM DAIYA)が、水泳の厳しさを思い知った。200メートルバタフライで3位、200メートル個人メドレーは最下位。4日の400メートル個人メドレーに続く2冠目はならず。1日2種目は甘くなかったが、試合数の少なさを考慮して、予選から飛ばす姿勢は貫いた。出直しの大会を終えて、いよいよ東京オリンピックに向けて再スタートを切る。

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現実は甘くなかった。200メートルバタフライ決勝。瀬戸は「飛び込んだ瞬間に体が重かった」。スピードが上がらずに1分56秒32の3位。19分後の200メートル個人メドレー決勝も2分3秒89で最下位の8位。優勝したライバル萩野に5秒以上も遅れた。萩野とグータッチはしたが「優勝を視野に泳いだけど、まだまだ練習不足。ただヘロヘロで泳ぎ切っただけです」。18年2月のコナミオープンでも同種目は全体14位の予選落ち。3年ぶりの屈辱的なレースにも、潔く敗北を認めた。

ただ負けたわけではない。この日は1日2種目の予選&決勝で200メートル×4本。瀬戸の技術なら余力を残して決勝に残れるが「試合数が少ないので、予選を流したくなかった。省エネで残った方が決勝で戦えるが。(その方法は)世界大会で予選落ちや準決勝落ちもありえる」。予選は2種目ともに全体のトップで通過して、決勝で壮絶に散った。実戦不足は、活動停止の影響だが「それは自分がやったことの結果なのでしかたない」と言った。

この日は優佳夫人から電話で「今日も頑張ってね」と送り出されて会場に入った。「ありがたい存在」と感謝しているだけに「今日は正直、その言葉に応えられなかった」と悔やんだ。一方で復帰戦でしっかりと収穫を得た。「水の感覚は衰えてない。持久力と耐乳酸トレーニング。シンプルにそこだけ。それをやれば一気にタイムも上がって日本記録も目指せるようになる。ここから再スタートだと思って頑張りたい」と復活を目指す。【益田一弘】