慶大2年の新星が、またも快記録を出した。男子200メートル平泳ぎで、佐藤翔馬(20=東京SC)が2分6秒74の自己ベストで優勝した。2週間前に出した世界歴代4位の2分6秒78を0秒04上回った。

「前半抑えて」の意識でも、チュプコフ(ロシア)の世界記録を上回るペースで150メートルまで進んでいた。結局、世界記録に0秒62、日本記録に0秒07及ばなかったが、実力は世界トップ級であると、あらためて示した。佐藤は「ベストが出たのはよかった」と喜びつつ、「日本新まで0秒07、まだまだたりないなという気持ちでいっぱい」と言った。

8日は20歳のバースデー。「日本新を出して10代を締めくくれたらいいなと思ったけど、20代に取っておきます」。最高の前祝いとはならずも、日本記録保持者の渡辺一平には0秒80先着。昨年12月の日本選手権で敗れていた早大OBの23歳にリベンジも果たした。小3からオリンピック(五輪)2大会連続2冠の北島康介らを輩出した名門・東京SCで力を磨く。レジェンドの後継者候補ともいえる逸材は、父新平さんで4代目という医師の家系に育った。「選考会(日本選手権)も五輪も、いいタイムで優勝したい」。二十歳の年、見すえるのは金メダルだ。