男子複合では、花輪(秋田)木村航大(3年)が今大会東北勢初優勝を飾った。午前の飛躍はコンディション不良などで中止となり、6日のジャンプ予備ラウンドの結果で午後の距離(10キロ)の出走順が決定。木村はトップと1分14秒差の14位でスタートし、レース序盤から必死の追い上げで終盤に逆転。最後のストレートは札幌日大(北海道)千葉大輝(2年)との競り合いを制した。

雪がやんだ晴れ空の下、木村が全国初優勝に向けて歩を進めた。攻めの走りで3周目突入前には先頭集団の背中を捉え、以降も片道18キロの自転車通学で鍛えたスタミナを武器に迫った。優勝も見えたゴール直前の坂道では「最後のストレートは後ろの選手が追い越すために横に出る。少しスピードを上げると(相手に)遅れが出るかなと思った」とギアチェンジ。大勝負を仕掛けて直進した。

ゴール直後は両腕を上げて歓喜し「これまでの努力が報われた瞬間だったので、スキー人生の中で一番最高な瞬間でした」。昨年は、現在W杯に参戦中で1学年先輩の木村幸大(19=中大1年)が優勝しており、「学校としても2連覇ができて、自分としてもうれしく思う」と喜びをかみしめた。【相沢孔志】