B2第21節2日目の14日、ゼビオアリーナ仙台(仙台市太白区)で開催予定だった仙台89ERS-群馬クレインサンダーズの第2戦は、13日夜に発生した福島沖地震の影響で中止となった。群馬の宿舎ホテルが被害を受け、選手やスタッフのコンディション維持が困難となった。そこで仙台は、公開練習に加えBリーグと連携した防災バスケ「ディフェンス・アクション」や初開催の「ナイナーズ フープ ゲーム」など、当初予定していたイベントを時間変更して行うなど、ファンサービスに力を注いだ。

当初から、10年を迎える「3・11」を念頭に置いたイベントと位置付け、Bリーグ応援キャプテンで元ラグビー日本代表主将の広瀬俊朗氏(38)も参加し、イベントを盛り上げた。東日本大震災の教訓を生かし、バスケットボールを楽しみながら防災減災の知識やスキルを高めようと企画された「ディフェンス・アクション」では地元ミニバスケットボールの男子小学生30人と交流した。前日13日夜には福島や宮城などで最大震度6強を記録する地震が発生。チームが取り組む社会貢献活動の重要性が、リアルタイムで強調されたことになった。広瀬氏は「何のスポーツでも自分たちで考えてアクションを起こして成長することが大事。積み重ねが人生に生かせる」と賛同した。

続いて初開催した「ナイナーズ フープ ゲーム」では仙台89ERSバスケットボールスクールと3月の全国大会に出場する、おきのミニバスケットボールスポーツ少年団が、それぞれイエロー・ナイナーズとブラック・ナイナーズに分かれて対戦。ブラック・ナイナーズが66-28で勝利し、第1回優勝を飾った。公式パンフレットにも顔写真が掲載され、プロと同じコート、同じ演出で開催。初代MVPに輝いたおきのミニバスケットボールスポーツ少年団のフォワード小川颯翔(錦が丘小6年)は「MVPはチームメートのおかげ。プロになったみたいで自分の夢に近づけた。目標は人間性もあこがれる(ウィザーズの)八村塁選手。自分もNBAでプレーしたい」と夢を広げた。【佐々木雄高】