琉球が東京に3-0のストレートで勝ち、初優勝を飾った。昨季はファイナルに進出していたが、新型コロナウイルスの影響で中止となり、レギュラーシーズンの成績が最終順位に。東京が1位、琉球は2位だった。同一カードでの優勝決定戦を制し、無念を晴らした。3試合ともフルゲーム。張一博監督は「どっちが勝つかわからず、最後は選手たちが頑張って本当に良かったです」とたたえた。

第1試合のダブルスでは木造勇人、吉村和弘組が及川瑞基、田添健汰組に2-1、第2試合は戸上隼輔が大島祐哉に3-2、第3試合では主将の吉村真晴が全日本王者の及川瑞基に3-2で競り勝った。第4試合に控えていた東京のエース、張本智和に回させずに、試合を制した。

シーズン通してチームをけん引した吉村は「1番(手)からハラハラドキドキの試合で、準備する立場で感情が右往左往しました。必ず決めてやるという心で戦った。非常にうれしい」と笑み。19歳コンビ、宇田と戸上の加入を優勝の鍵に挙げ、「昨年はベテラン中心。若手が入り、レギュラー争いが激しくなり、試合に出るための準備を尽くした。常にいい選手が試合にでることにつながった。自分自身も、うかうかしてられないと。成長できたし、19歳の2人の影響はこのチームにとっては大きかった」と振り返った。

吉村自身は東京五輪代表を逃した。ただ、チームを優勝に導き、健在ぶりを示せた。「東京に落ちて、1度は代表を退きましたが、粛々とパリに向けて準備しています。これからの吉村真晴をお伝えできたと思う。しっかりと国内から自分の強さをアピールして、また日の丸をつけて国際舞台で戦っていきたい」と快活に宣言した。

シーズンのMVPも獲得。発表の際には「オレだろう」と自信があったそうで、「それ以上に(副賞の)現金100万円に『え、現金ですか』と。そっちのほうがびっくりしました。どうせ、後輩たちとメシにいくでしょう。そこでいくらかなくなり、あとはまあ、沖縄にいってリラックスしながら次に向けて、ですかね。できる限り使っていきたい」。兄貴分として、より一層の結束を計るべく、頼もしい後輩にふるまう。