東地区4位の仙台89ERSは74-73で同5位の山形ワイヴァンズに逆転勝ちし、同一カード連敗を回避した。1点を追う残り1秒、PG笹倉怜寿(23)が値千金の逆転シュートを決め、前日6日の第1戦で敗れた相手に雪辱した。

終了間際の劇的な点の取り合いを制した。笹倉のフリースローで72-70とリードした直後の残り6秒、相手3点シュートへの反則からフリースロー3本を決められ逆転されたが、諦めなかった。タイムアウト後、笹倉が右60度から大きな放物線を描いてカップイン。ブザービターに匹敵する劇的勝利に、「(試合を)決めるつもりで自分のショットが打てた」と雄たけびをあげて仲間たちと喜び合った。

今季3度目のゲームショットが「三度目の正直」になった。第16節の福岡戦と前節の香川戦(ともに第2戦)は、ラストを決め切れずに黒星を喫した。だが、桶谷大HC(ヘッドコーチ、43)は「最後は怜寿でやると決めていた。ちゃんと決めてくれて持ってるなと思った」と信頼。笹倉は「マイケル・ジョーダンも失敗し続けて成長したと聞かされ、やり続けるしかないと思った」と期待に応えた。

通算25勝17敗。レギュラーシーズン残り18戦でPO(プレーオフ)進出の地区3位以内を狙う。笹倉は「追う展開のゲームで我慢し続けることができたのは収穫」と手ごたえを示した。【佐々木雄高】