創部3年目の札幌新陽女子ハンドボール部が、24日開幕の全国高校選抜(山梨)に初出場する。19年春に創部し、昨春に日大時代に全日本大学選手権準優勝の実績を持つ合田享弘監督(36)が就任。昨秋から公式戦8連勝で、初の全国切符をつかんだ。

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新星・札幌新陽が全国舞台で旋風を起こす。主将でポスト、センター兼務の精神的支柱、小河楓(2年)は「強いチームが集まる大会。とにかく、まず1勝できるように」。左サイドを担う山本理子(2年)は「攻守の切り替えを速くして、走り負けないようにしたい」と意気込んだ。

メンバーは1、2年生各5人の計10人。中には高校から競技を始めた選手もいる。山本は、兄淳平(3年)が男子部で19年全国選抜に出場。自身は札幌平岸中で陸上部だったが「中学の時に兄の試合を見て楽しそうだった」と入部した。走り幅跳びで培った跳躍力を生かし左サイドの主力に成長。昨春には、札幌月寒中で全国経験のある右45度の得点源、渋井真幸(1年)ら経験者4人も加わり、戦力アップした。

指導陣も万全だ。18年に同好会を立ち上げた三宮哲也部長(63)は札幌南陵、札幌真栄時代にチームを全国大会に導き、昨春就任の合田監督も日大4年時に全日本大学選手権準優勝。三宮&合田2頭体制で結果を出した。同監督は「最後まで走れるチームが勝つ」と走力を徹底的に磨き、昨秋から札幌市民大会、全国高校選抜予選と公式戦8連勝。釧路江南との道予選決勝は23-22で競り勝った。

昨年はコロナ禍で選抜、総体いずれも中止。同好会時代を知る現3年生は全国を目指すことができなかった。小河は「本当は先輩と一緒に全国に行きたかった。その悔しさも背負って戦ってきたい」。大舞台で結果を出し、1期生が果たせなかった夢をかなえる。【永野高輔】