競泳女子バタフライの中野未夢(23=アクシーひがし)が、わずかな可能性に挑戦する。4月3日に開幕する日本選手権(東京アクアティクスセンター)で東京オリンピック(五輪)代表入りを目指す。全中、インターハイ、インカレと中高大で日本一を経験。真の日本一に向かってスタート台に立つ。

中野が一発勝負にかける。「強い人は多いけれど気持ち次第」と集中力を高めている。200メートルバタフライ。代表条件は日本選手権(4月3日開幕)で決勝で派遣標準記録をクリアしての2位以内。派遣標準記録は2分8秒43。昨年12月の日本選手権では2分11秒84で6位だっただけにハードルは高い。それでもインターハイ優勝時の自己記録2分8秒11を持つ。長岡大手3年時の記録を出して、2位に入れば目標に手が届く。

アクシーひがしでは3歳~小学低学年のアシスタントコーチを務める。中野が8歳で水泳を始めたスイミングクラブだ。五輪モードに入った3月からはフロント業務に移り、指導から離れる。1日平均6000メートル泳ぎ、週2回は筋トレにも取り組む。調子は上向きで6、7日に行われた「中村真衣カップ(長岡市)」では100メートルバタフライで自己新記録の59秒16をマーク。「たくさんのスタッフ、会員、後輩たちが応援してくれる」と周囲の応援を支えに奮起する。

バタフライ専門の中野は石山中3年の全国中学大会で100メートルと200メートルで2冠。高3のインターハイで200メートルを制し、東洋大では2、3年のインカレで200メートル連覇した。社会人1年目の昨年も日本社会人の200メートルで優勝。高校時代は新潟市内の実家から長岡大手に3年間、遠距離通学した頑張り屋だ。日本選手権では100メートルバタフライにもエントリーする。小学生時代から指導する木下洋一コーチ(40)は「負けん気が強い」と教え子の強い心に期待した。【涌井幹雄】