羽生結弦(26=ANA)が、前人未到、世界初の成功を目指しているクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦した。

今大会の男子ショートプログラム(SP)とフリーを終え、翌18日のエキシビションに向けた公式練習に参加。この中で、習得を目指す大技に挑む姿を披露した。

これが普段通りの準備なのか。まず大きく1回転半を跳び、続けて3回転半、そして再び大きく1回転半を跳んだ。氷上で回転の確認をし、次は入りの動きをしてスルー。2回転半を両足で着氷。徐々に、その時への期待感を膨らませていった。

そして、決行した。1本目、転倒。2本目も転倒した。起き上がると場内から拍手が降り注ぐ。既に開場しており、ファンが入っている。その前で、ゆったり入り、大きく、跳び上がっている。3本目も転倒。拍手を受け、ゆっくりと起き上がる。

氷に接する際の音は「バタン!」。かつて本人も「「大きい」と話していた衝撃の強さを物語る。4本目は抜け、5本目も1回転半になった。

迎えた6本目。4回転半に挑む。大きく跳んだが、転倒。ただ、ここまでで最も惜しいジャンプだった。

この直後、午後1時53分にリンクを離れ、引き揚げた。チャレンジは6本。

これで終わるかと思いきや、再びリンクに戻った。半袖になり、4回転トーループ-1回転オイラー-3回転フリップの3連続ジャンプを跳ぶ。着氷後、近くにいたネーサン・チェン(21=米国)と笑顔で目を合わせた。

アクセル挑戦を再開。通算7本目も抜ける。8本目は4回転半。転倒。拍手を浴びる。9本目は2回転半だ。着氷後、何か言葉を発した。10本目も2回転半。11本目。4回転半。転倒した。起き上がると四方に、丁寧に、お辞儀した。見守っていた人たちに感謝し、ミハイル・コリヤダ(ロシア)とグータッチして練習を終えた。

4回転半。成功はしなかったが、完成を目指す姿、現状をお披露目した。

これまでは「1度も成功していない」「既に1000回以上トライしているけど、まだ降りられていない」「あと8分の1(回れば降りられる)」などと話していた。

練習全体としては、最初に3回転ループを跳び、続いて4回転トーループ-1回転オイラー-3回転サルコーを決めた。4回転サルコーも跳び、序盤からハイペースでジャンプを試していった。その後、4回転半の練習に突入した。