競泳女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の清水咲子が、29歳の誕生日となった20日、現役を引退した。所属のミキハウスが発表した。

清水は「本日をもって水泳を引退することを決めました。3歳から続けてきて、楽しいこと、苦しいこと、大切なことは水泳が教えてくれました。東京五輪への夢はかないませんでしたが、限界まで努力をしても望む結果が出ないことがあるということを知りました。それでも前を向いて進まなければいけないし、この結果を失敗とせず、今後の人生にいかしていくことが、ずっと大切なことだと思っています」とコメントを発表した。

清水は10日までの日本選手権で、本命種目としていた女子400メートル個人メドレーで3位。派遣標準記録を突破していたが、上位2人に入れなかった。

「ユニバーシアード、世界水泳、オリンピックなど国際大会や海外遠征を経験し、国内だけでなく海外にもたくさんの戦友、仲間たちが増え、皆に温かい声をかけてもらい助けられてここまで続けることができました。良いときも悪いときも自分を勇気づけてくれて、救ってくれたのはいつも周りの選手、先生、友人からの言葉でした。私の水泳人生は、皆様のおかげでとても幸せな時間と素晴らしい経験になり、そしてこれからの私の原動力になっています」と感謝した。

「今後については未定ですが、何かしらの形で水泳に携わって恩返しをしていけたらと考えています。最後に、ここまで不自由なく競技を続けさせてくださった所属のミキハウスをはじめ、応援してくださった全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。選考会後は毎日競技人生が幸せだったなと余韻に浸っています。本日は誕生日でもあるので、この29歳の誕生日を機に新たなスタートにしたいと思います。本当にありがとうございました」と締めくくった。

清水は、日本選手権後に東京五輪日本代表の補欠選手となっていた。自国開催の五輪で万全を期すために、代表選手のコロナ禍やけがなど不測の事態に備える形だったが、本人の意向で辞退することになった。