XリーグのオービックRB李卓(26)のNFL「参戦」はならなかった。NFLインターナショナル・プレーヤー・パスウェー・プログラムが4日に発表されたが、選ばれた4選手の中に李の名前はなかった。

このシステムは北米以外の選手にチャンスを与えるため、17年に始まったもの。プログラムに入れば練習生資格を得てチームに参加し、そこで実力を認められればロースター入り=NFL選手の道が開ける。

今年は9カ国11人が候補となった。2月から米フロリダに集合して10週間トレーニング。フィジカル、スキルを高めながら競っていた。李は日本から初参加で、唯一のRBだった。

今年は抽選で決まったNFC西地区4チームに、4人が振り分けられた。今回はドイツ人LB、メキシコ人とイタリア人のOL、オーストリア人TEが選ばれた。

李は「すべてを懸けて、すべてを尽くした結果は簡単に受け入れがたく、とても悔しい。応援してくれる方の思いが力になり、日々力強く戦うことができた。期待して楽しみにしていた皆さんにいい結果を伝えられないことがとても心苦しい」との心境をSNSにコメントした。

今後に向けては「真の勝者はどんなに打ちのめされてもすぐに立ち上がり、前に進み続けることをこれまでのフットボール人生で学んだ。もう1度立ち上がり、前に進む力が自分にはあると信じている。こんなにも心を揺さぶり、痛い思いをさせてくれた試練に感謝できる日を信じて、前に進みます」と記した。

4月のカナディアン・フットボール・リーグのグローバル・ドラフトでは、3巡目の全体24位でモントリオールから指名を受けている。これは米国とカナダ以外を対象にしたもの。コロナ禍で開幕が8月に延期となったが、他に指名された日本人5人とともに、NFLに次ぐリーグでプレーする可能性が残されている。

李は愛知・南山から慶大に進み、3年で学生唯一の日本代表入り。3、4年と関東NO・1ラッシャー。卒業後は日本航空に入社して、パイロットを目指しながらオービックでプレー。1年半後には退社して、NFLを目指してきた。