柔道の世界選手権(ブダペスト)第1日から一夜明けた7日、男子代表の井上康生監督(43)と女子代表の増地克之監督(50)が、現地からオンライン取材に応じた。

大会初日の6日には男子60キロ級が実施され、18、19年世界選手権銅メダルで世界ランキング1位の永山竜樹(25=了徳寺大職)が3回戦敗退。92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルで今年3月に53歳で死去した古賀稔彦さんの次男、玄暉(げんき、22=旭化成)は初戦の2回戦で敗れた。最軽量級でメダルを逃したのは07年以来10大会ぶり。井上監督は「両選手とも表彰台を逃す形になり、本来の能力や力を十分に引き出せず監督して責任を感じると同時に残念に思う。(監督としての)役割を果たせず悔しい思いでいっぱい」と話した。

試合後、2人と話す中で敗因に「コンディション不良」を挙げた。永山は拠点とする東海大柔道部が新型コロナウイルスの集団感染により使用できず、さまざまな制限によって過度なストレスや疲労が生じたと推測。左膝が完治しない中で初出場した古賀は、けがの影響で心技体に影響が出たとした。しかし、指揮官は「結果を変えることはできない」と現実と向き合い、「この経験を次に生かせるように所属とともにサポートしたい」と前を向いた。

女子48キロ級は、17年世界選手権52キロ級銀メダルの角田夏実(28=了徳寺大職)が初優勝。初出場で19年世界ジュニア女王の古賀若菜(19=山梨学院大)が準優勝だった。女子代表の増地監督は「両者とも自分の柔道をしっかり畳の上で出してくれた。思い通りの試合ができたかと思う」と評価した。