B1新潟アルビレックスBBの新社長に川上明氏(51)が就任した。5月31日の臨時取締役会、株主総会で経営企画本部長から昇格が決まった。20-21年、新潟は16勝38敗で東地区9位と低迷。小菅学前社長(47=現強化本部長)のパワハラ行為など組織内の問題も露呈した。球団全体の立て直しが必要な21-22年シーズンや、今後のクラブ経営への思いを聞いた。【聞き手・斎藤慎一郎】

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-最初に目指すものは

川上社長 Bリーグは26年からカテゴリーが再編されて新しいB1がスタートします。そこに入ることです。24年に参入基準(1試合平均入場者数4000人、アリーナの確保、年間売り上げ12億円)をクリアしなければ入れません。先日の朝礼でも「3年後に12億円、4000人の達成」は社員に言いました。たとえチームが上位の成績を残しても、この数字がクリアできなければB1には残れない。つまり戦っているのは選手だけではない。事務方も含めて全員で戦っていくんだ、と。

-3年のプランは

川上社長 1年目(21-22年シーズン)は売り上げで8億超。来場者数はコロナ禍の収容制限の影響を受けますが、広告収入は約4億を目標にしています。新潟の経済も活況とは言えない中ですが1社でも多くの方に応援していただけるようにしたいです。そして2、3年目は絶対に勝つ。最低でもチャンピオンシップに進出する。ブースターさんに期待される成績を残さなければなりません。その上で営業、チケット販売ができれば、組織全体でもう1つ上のステージで戦える。2、3年目は1年目の目標達成ができたならついてくると思っています。それだけ1年目が重要です。

-福田将吾監督(37)へのパワハラで小菅前社長がリーグから処分を受けて辞任。ただ強化本部長に就任したことで実質的に変わっていないとの声もある

川上社長 そのように感じられるのは、その通りなんです。社長は辞めても強化の現場にいるわけですから。ただ、現状の組織の中では彼が今まで積んできた経験を生かすのがベター。結果を出すことで分かってもらうしかないです。もちろん、成績を残せない時は優秀な編成能力のある担当に代わってもらうということです。編成には私も入ります。これまで選手の選択から最終決定まで彼1人が行っていましたが、今後はできません。交渉前になぜその選手が必要なのかを合理的に説明してもらい、交渉内容、経過の報告も受けます。

-クラブ経営で大切にしたいことは

川上社長 失敗を減らせば成功に近づくと思います。失敗したら、その要因を明らかにして次に生かす。ターンオーバーがなければ攻撃のチャンスが多くなる。その中で得点を重ねられれば勝ちに近づく。スーパースターがいて、1人で30点取っても失点が多ければ負けます。全員でミスなくボールを運んで得点する-バスケに例えたらそんなイメージです。(続く)

◆川上明(かわかみ・あきら)1970年(昭45)2月26日生まれ、東京都出身。立大卒業後、広告代理店に勤務。現在は都内の人材紹介会社の取締役。バスケットボールは中学3年間経験した。今年1月にB1新潟の運営会社「新潟プロバスケットボール」に入社し、経営企画本部長に就任。6月1日付で代表取締役社長に。