全国制覇58度を誇る名門、能代工の魂を継承していく。能代科学技術は秋田西を97-71で下し、全国高校総体(インターハイ)出場を決めた。能代工と能代西が統合して4月に開校。同総体は現校名として初、22度優勝した旧校名を含めると4大会連続56度目の出場となる。

伝統の紺色ユニホームに刻まれた胸の文字は「能代工高」から「能代科学技術高」に変わった。それでも激しいディフェンスから泥くさく、速い展開で得点を重ねていくスタイルは健在だった。準決勝までの4試合はすべて100点ゲーム。決勝はわずか3点届かなかったが、メンバーを入れ替えながら快勝した。初代主将の藤原健太郎(3年)は「注目されている中での大会だったが、時間がたつにつれて自分たちのバスケットが徐々にできるのを実感したので、それは大きな収穫」と振り返った。

能代工はB1宇都宮の田臥勇太(40)らバスケ界に多くの人材を輩出。人気漫画「スラムダンク」に登場する強豪「山王工業」のモデルにもなった。昨年12月、旧校名最後の全国大会だった全国高校選手権(ウインターカップ)は初戦敗退。藤原主将は「先輩たちの思いも背負って、全国大会で能代工業の伝統のプレーが通用するのを見せつけたい」と力を込める。

全国高校総体の男子バスケットボールは新潟県で7月25日に始まる。「自分たちはチャレンジャー。強豪校、留学生相手に立ち向かっていくプレースタイルを貫き通し、勝ちにこだわりたい」。3月に能代工OBの小野秀二監督が退任し、新校名となった4月からは同OB以外では初となる小松元監督が就任した。藤原主将は「能代工業だと分かってもらえるように自分たちも一生懸命やっていきたい」。名前は変わっても、伝統のバスケットは変わらない。【山田愛斗】