2大会連続優勝を狙う女子の開志国際(新潟)が4強入りを決めた。津幡(石川)との準々決勝を77-56で快勝した。第3クオーター(Q)終盤に3点差に詰め寄られたが、突き放した。正PG呼子真洸(2年)を故障で欠く布陣ながら、エースSGの堂脇さち主将(3年)がチームの苦境を打開する大量35得点をマークした。今日20日の準決勝では北越と対戦する。

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快勝への突破口を開いたのはSG堂脇だった。第1Qの23-12の楽勝ペースが、第3Q終盤には50-47の3点差。浮足立つ展開から、再び勝利へ軌道修正したのがエースだった。本来はSGだがボールを自陣に運ぶ役目をPG曽根妃芽香(1年)とともに担い、攻守のリズムを作った。歯車がかみ合った第4Qは開始から4分間、相手に得点を許さなかった。最終Qの8分に自身35点目となるフリースローを決めると“お役御免”で交代。「(得点を)決めるのが役目」という言葉通りに得点を量産した。

正PGの呼子が鼻骨骨折でコートにいなかった。本来の司令塔を欠く布陣で、1年生PGの曽根が抜てきに応えた。ただ1人、40分間フル出場。「インターハイも故障のトラブルは起こり得る」と北信越を全国大会の予行演習にとらえる伊藤翔太監督(32)は「十分。120点だった」と1年生PGをほめた。堂脇も「(主力が)いないから負けるのは弱いチーム。いなくても勝ちにいく」と正PG不在にも強気だった。

もっとも誰も快勝を喜んでいない。第1Qの得点差のまま突っ走れば、相手が反撃意欲を喪失するような展開に持ち込めた。ところが一時は接戦に持ち込まれ、慌てるシーンもあった。堂脇は「ボックスアウトをしっかりやらず、リバウンドが緩んでしまった」とピンチのシーンを振り返る。堂脇は2大会連続Vへ、得点源としてのプレーをやり切る覚悟だった。【涌井幹雄】