男子日本代表は関東学生選抜に2戦2勝で、新チームのスタートを飾った。

第1試合は20-12の逆転勝ちと接戦も、第2試合では攻守に実力差を発揮して44-6と圧勝した。女子日本代表候補はFリーグ男子チームと対戦。ゴールデンメッツ麻布には28-32で敗れたが、第2試合では横浜ドライリーフスに22-7で勝利と1勝1敗だった。

男子代表は初戦でなかなか得点できず、関東学生にパスで先制TDを許し、前半は0-6とリードを許した。岩井監督は「対外試合で緊張して、攻守ともミスが多かった」と振り返る。後半は第1プレーでRB磯野が、いきなりスペシャルプーレーで45ヤードの独走TDラン。TFPもパスを決めて逆転した。

返しの守備では、磯野が今度はDBでインターセプトした。パスで2TDを加え、関東の反撃を1TDに抑えた。磯野は最後にも2本目のインターセプトをマーク。関学大ではDBでアメリカンフットボールで大学日本一。チームの大黒柱として要所に攻守で光った。

試合後は長いハドルが組まれ、選手からも気持ちの甘さを問う声が上がっていた。気持ちを切り替えて集中した第2試合。再び関東学生に先制TDは許したが、その後は6連続TDの猛攻。守備でもインターセプトリターンTDと攻守で圧倒しての快勝となった。

12月にイスラエル・エルサレムで開催される世界選手権に出場する。来年7月に米バーミンガムで開催されるワールドゲームス予選も兼ねる。予選突破はベスト8が条件。18年の前回パナマ大会で日本は10カ国中8位だった。今回は22カ国が出場を予定し、前回以上の激戦が予想される。

岩井監督は「もちろん8位以内は絶対だが、ベスト4を目標にしている」と話す。前回大会では最後の攻撃であと1ヤード届かず4強を逃した。15人のメンバーには磯野ら当時の代表も7人いて、今度こその思いは強い。

3月の日本選手権後、日本代表候補で毎月2回強化練習し、15日に代表15人を選出した。「ここからまたチーム作りをしていく」と臨んだ強化試合。30分の休憩で2試合こなしたのも、本大会をハードな日程を想定してのものだった。

岩井監督は「いつもの練習は紅白戦で、対外試合ができたことは大きい。外国勢は体格もあり、パスもランも距離が違う。学生はその点で距離やスピードもあり、いい練習になった」と収穫を口にした。

今回は関東学生連盟が6月に初のフラッグ大会を開催し、選抜チームを構成して日本代表の強化にも一役買った。視察した日本アメリカンフットボール協会国吉会長は「関東学連がいい企画をしてくれた。チームもよく仕上げてきてくれた。フラッグでも日本代表を目指すように、学生や高校生の選択肢になれば」と話した。28年ロサンゼルス五輪では追加競技の有力候補でもあり、若手の参戦に期待を込めた。

女子日本代表は9月に選出を予定し、今回は選考を兼ねた日本代表候補の強化試合として実施された。女子は前回大会では11カ国中7位。国吉会長は「外国勢はサイズで上回るチームが多い。体格差ある男子と対戦はいい練習になったはず。収穫は大きいと思う。男女ともいい壮行試合になった」と話していた。