帝京長岡(新潟)が同校の大会最高成績に並んだ。前橋育英(群馬)に百点ゲームの100-55で勝ち、17年以来3度目の4強入りを決めた。マリ共和国の留学生、Cコネ・ボウゴウジ・ディット・ハメード(2年)が32得点、16リバウンドの大暴れ。3試合連続で、得点とリバウンドが2桁のダブル・ダブルを達成した。初の決勝進出へ、準決勝は仙台大付明誠(宮城)と対戦する。

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インサイドの制空権を2メートル5センチのCコネが握った。リングにはじかれるボールを拾い、スコアも重ねた。コートで存在感を見せて攻守に暴れた。第3クオーター(Q)の残り2分20秒にベンチに退くまで、プレータイム25分2秒で32得点、16リバウンド。長身センターを、相手はファウルで止めるしかなく、もらったフリースローは8度だ。ブロックショットも1回決め、リバウンドからロングパスを通して速攻も演出した。「今日はたくさん、シュートが入った」と、顔から汗を噴き出させた。

前日27日の3回戦(対柳ケ浦=大分)だ。コネは、ベンチで悔し涙を流していた。25得点、15リバウンドを奪ったものの、第3Qの残り2分7秒に4ファウル。ベンチに退き、ふがいないプレーに落ち込んでいた。柴田勲監督(52)は「切り替えないといけない。ボクも手助けする」と話していたが、いち早く精神的なケアは施し済みだった。

試合会場から学校までは通常、バス移動ながら27日はコネとSG島倉欧佑(3年)ら4人で、歩いて学校にもどった。「オレも、(島倉)欧佑も、コネも今日は悪かった。何が悪かったか、しっかり反省してやっていこう」。学校まで約15分の道のりで、そんな会話を交わした。「昨日(27日)の試合は我慢してない。集中してない」とコネは反省点を抽出して、この日の爆発につなげていた。

帝京長岡は15年、17年に次いで3度目の4強入り。初の決勝進出へ、心はひとつなっている。柴田監督は「何とか新しい歴史を君たちと作ろう」と選手たちに言い聞かせている。準決勝の相手・仙台大付明誠は昨年12月のウインター杯を制した強豪ながら、コネは言い切った。「明誠も強いけど、帝京長岡は強い。50点取りたい」。言葉に力がこもっていた。【涌井幹雄】