川山裕以奈(ゆいな、静岡・磐田一3年)が3-1で日下部詩季(同・清水飯田1年)を下し、初優勝を飾った。東京オリンピック(五輪)混合ダブルス金メダルの水谷隼(32=木下グループ)と伊藤美誠(20=スターツ)が育った豊田町卓球スポーツ少年団(磐田市)に所属。偉大な先輩2人の快挙に刺激を受け、県の頂点に立った。男子は中西泰祐(浜松修学舎2年)が3-1で水島凜(浜松蜆塚3年)を破り、初の栄冠を手にした。

卓球界の次代を担うホープに名乗りを上げた。川山は決勝の第1ゲームから主導権を握った。ボールに逆横回転をかける「巻き込みサーブ」で相手の体勢を崩し、得点を重ねた。「リズムが出せなかった」と第2ゲームを落とすも、第3、4ゲームを連取。第1シードとして臨んだプレッシャーにも打ち勝ち「正直ホッとしました。うれしいです」と笑顔を見せた。

小3から競技を始め、普段は豊田町卓球スポーツ少年団で練習している。金メダルを獲得した水谷と伊藤も在籍した名門クラブで腕を磨いてきた。7月26日の金メダル獲得の瞬間は自宅のテレビで観戦。特に決勝は「苦しい場面から挽回して、ドキドキ、ワクワクでした」とくぎ付けになり、「本当にすごいことをやってのけたと思います」と興奮気味に振り返った。

一昨年には地元に帰省していた伊藤とラリーを行ったという。「ボールにすごいスピンがかかっていました」と、世界レベルの技術を肌で体感した。将来の目標は「(伊藤)美誠さんに追いつけるような選手になりたい」。偉大な先輩の背中を追い、まずは23日開幕の全国大会(宇都宮市、東海大会上位12人が出場)でその名をとどろかせるつもりだ。【神谷亮磨】