前日のトヨタ自動車との練習試合を快勝し、この日のシャンソン化粧品との一戦は競り勝って2連勝。日本代表の恩塚亨暫定監督(42)は「選手たちがエネルギーを持ってプレーすることができた。私から発破を掛けてやらせることはほとんどない、というかゼロだった」とうなずいた。

現時点で去就未定のトム・ホーバス監督を、東京五輪までアシスタントコーチとして支えてきた。銀メダルへと導いた“トム流”の戦術をリスペクトしつつ、“恩塚流”のスタイルも伝えようとしている。従来どおり、日本の強みはスピードとの認識を示した上で、「ただ単に移動する速さではなく、メンタル面も含めたアジリティー(敏しょう性)を求めたい」。試合状況に応じた最適な反応や判断を、コート上の5人がタイミングを合わせてできるようになれば「日本のパフォーマンスが最大化される」と力を込める。

5連覇がかかるアジア杯(27日開幕、ヨルダン)には、全員が26歳以下の若いメンバーで臨むことになりそうだ。恩塚暫定監督は、「4連覇を成し遂げてきたバトンを受け取ったという気持ちで、意気に戦おう」と選手たちに呼びかけていると明かす。

期待を寄せる選手として、暫定指揮官は林咲希(ENEOS)を挙げた。東京五輪でも準々決勝のベルギー戦で逆転の3点シュートを決めるなど大活躍したが、そのシュート力だけを評価しているわけではない。「いつもポジティブな気持ちを持っていて、自分自身だけでなくチームメートも良い状態にしてくれている。高圧的な言い方ではなく、相手を信頼して話ができる選手」。林の人間性にも信頼感を置き、「仲間と高め合えるリーダーシップを」と期待を寄せた。【奥岡幹浩】