スノーボード男子ハーフパイプでオリンピック(五輪)2大会銀メダルで、今夏の東京五輪にはスケードボードのパークで出場した平野歩夢(22=TOKIOインカラミ)が5日、5カ月後にやってくる北京五輪への思いを語った。

スケートボードで夏の五輪への挑戦を終え、再び雪上へ戻ってくる。1年延期も大きく「1日、1日無駄にできない」。もう時間は限られている。過去2大会とは異なる思いで挑む。ゆっくりな口調で信念を込めて、今の胸中を言葉にした。

「誰かと戦うというより、自分がどこまでいけるのか挑戦という気持ちが強い。(ソチ、平昌の)2大会のオリンピックはどちらかと言えば、負けられないとか勝たないといけないと感じていた。今回はどこまで抜かしていけるか。今までと比べると、自分のペースでやれる気持ちの方が大きい」。

もちろん「結果も大事」。ただ、それ以上に平野歩夢にしか表現できない姿を追求する。

「自分にしか見せられないものだったり、自分ならではの表現で、それに納得できた時に結果がプラスでついてくるのが理想」

スノーボードで2大会連続五輪銀メダル。トッププロの集結する大会で制するなどまさに世界のトップであり続けたが、その活動の枠を広げ、スケートボードにも挑戦。同じ横乗りのスポーツとはいえ、違う世界を見た。「別物の世界感があった。未知な経験をさせてもらった」。そこにはライバルとの勝負に徹するはなく、「自分のベストをどこまでみせられるか」を大切にする文化があった。楽しむ姿があった。その肌で感じた経験も生かし、雪上の世界に戻る。