フィギュアスケート女子で全日本選手権を2連覇している紀平梨花(19=トヨタ自動車)のマネジメント会社は8日、同選手が練習拠点をカナダ・トロントに移し、ブライアン・オーサー・コーチ(59)率いる「チーム・ブライアン・オーサー」の指導の下でトレーニングを行うと発表した。

オーサー・コーチは五輪男子2連覇の羽生結弦(26=ANA)、10年バンクーバー五輪女子金メダルの金妍児(キム・ヨナ)さん(31)ら名選手を育て、チームはジャンプ指導に定評があるジスラン・ブリアン・コーチ、紀平の今季フリーを振り付けするデービッド・ウィルソン氏らで構成されている。

紀平は「多くのトップスケーターを輩出してきたブライアン・オーサー・コーチと彼のチームの指導の下、2022年北京冬季五輪を目指すこととなり大変うれしく思います。また、練習場所となるトロントクリケットクラブは、素晴らしい施設を備えた、恵まれた環境なので、1日1日を大切に練習を積み重ねていきたいと思います」とコメントした。

◆オーサー・コーチと教え子 84年サラエボ、88年カルガリー五輪男子銀メダルのオーサー・コーチは06年、金妍児(韓国)の指導をきっかけにコーチに専任。10年バンクーバー五輪金メダルに導き、11年からフェルナンデス(スペイン)、翌12年から羽生を指導。五輪では羽生が14年ソチ、18年平昌と2連覇、フェルナンデスも平昌で銅メダルを獲得した。18-19年は平昌五輪女子銀メダル獲得後のメドベージェワ(ロシア)を指導し、シーズン中は苦しみながらも世界選手権で3位。「チーム・ブライアン・オーサー」として、各ジャンルに秀でた指導陣の力を結集させている。

◆紀平梨花(きひら・りか)2002年(平14)7月21日、兵庫・西宮市生まれ。4歳で競技を始め、16年に女子世界7人目となるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)成功。17年全日本ジュニア選手権で初優勝し、18年グランプリ(GP)ファイナル、19、20年4大陸選手権優勝。20年12月の全日本選手権で2連覇。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、日本女子で安藤美姫以来2人目の4回転ジャンプに成功。155センチ。