野獣が6季ぶりのプレーオフに導く。バスケットボールBリーグ1部、レバンガ北海道に新加入した外国籍3選手が10日、札幌市内で契約会見に臨んだ。Bリーグ初挑戦のショーン・ロング(28)は208センチのNBA経験者。フィジカルの強さで「ビースト(野獣)」の愛称を持つ昨季韓国リーグ得点王(平均21・4点)が、昨季10位からの巻き返しを狙う佐古賢一監督(51)の1季目を支える。

ロングが淡々とした表情で、初めて挑むBリーグでのプレーを思い描いた。「得点力は僕の強み。1つ、そういうところを発揮しながらチームの勝利に貢献していけたら」。昨季プレーした韓国リーグではプレーオフ含め57試合でリーグトップの平均21・4点。Bリーグについて調査済みで「韓国は速い展開が特長だが、日本はゆっくりコントロールする。その中でも点を重ねたい」と意気込んだ。

自らのニックネームについては「ビーストさ。フィジカルの強さで戦ってきた」とにやり。208センチ、112キロの体格を生かしたゴール下での競り合いの強さが売りで、昨季は得点だけでなく、リバウンドも平均10・8と2桁をマーク。豊富に蓄えたあごひげをなでながら「“ミスターダブルダブル”と呼ばれたこともあるよ」と口にした。

得点源が抜けた穴を埋める。昨季得点王メイヨは平均21・5点、平均リバウンド8・1。リーグは違えど数字上のデータでは、ロングも、匹敵する数字を残している。清永貴彦GM(47)は「韓国は外国籍選手の得点に頼る傾向があるが、オーストラリアでも平均得点、リバウンドで2桁をマークしてきた実績は大きい。十分期待できる」。16-17年シーズンにNBA76ersでプレーした経験値も生かし、チームを上位に引き上げる。

4日からチーム練習に合流し、佐古新監督のもと体を動かし始めている。「僕のホームのような雰囲気をつくってくれて、やりやすい」。徐々に融合し、野獣の本領を発揮していく。【永野高輔】

◆ダブルダブル 1人の選手が1試合で得点、リバウンド、アシスト、スチール(ボール奪取)、ブロックショット(シュート阻止)の5項目中、2項目で2桁をマークすること。

◆今季のレバンガ北海道 Bリーグ1部東地区に所属し、昨季から1チーム増の計11チームで争う。主将の橋本竜馬、オフコートキャプテン桜井良太らに加え、外国人3選手、ナナー・ダニエル弾、副主将に就任した寺園脩斗の新加入組を含め現在12選手。今月24、25日の三遠ネオフェニックスとのプレシーズンマッチなどを経て、10月2日に広島ドラゴンフライズの敵地でチーム開幕戦を迎える。ホーム開幕カードは第3節の10月16、17日新潟アルビレックスBB戦(札幌・北海きたえーる)。

<前島根 ブルックス>

昨季西地区5位の島根スサノオマジックから新加入のデモン・ブルックス(29)は、初めて挑む東地区でのプレーに気持ちを高ぶらせた。19-20年シーズンは琉球ゴールデンキングスで平均16・8点、昨季は島根で同18得点と2季連続、Bリーグ1部で結果を残してきた。「インサイド、アウトサイド、ミドルレンジといずれの位置からでも得点を重ねたい。愛称はDと呼んでくれ」と意気込んだ。北海道に来て早くもみそラーメンにはまっており「おいしい店を1軒覚えた。おいしかったよ」と笑顔で話した。

<4季ぶり復帰 ミラー>

ダニエル・ミラー(30)は、17-18年シーズン以来4季ぶりの復帰となった。18-19年シーズンから3季はBリーグ2部仙台89ERSでプレーし、昨季はブロック王を獲得した。再び1部の舞台に戻り「ハードワークできるメンバーがそろっているチーム。またここに来られてうれしいよ」。愛称については「僕も“D”と呼ばれるが、ブルックスと2人になってしまうので、今回は“ダニー”と呼んでくれた方がいいのかな」と苦笑いだった。