今季シニアデビューしたロシアの15歳が、22年北京五輪金メダル候補に名乗りを上げる優勝を飾った。女子でショートプログラム(SP)3位と出遅れていた15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア)が2種類の4回転ジャンプを計3度成功させてフリーで174・31点を記録。合計249・24点とともに世界最高得点をマークして、逆転優勝を飾った。

今季から本格参戦するシニア初の国際大会で、昨年の世界ジュニア選手権女王が世界を震撼(しんかん)させた。冒頭の4回転サルコー、4回転トーループから3回転トーループ、基礎点1・1倍になる後半には4回転トーループからの3連続ジャンプまで決めきった。中盤の3回転ループ以外は、全て両手を挙げる難しい姿勢でのジャンプ。さらにトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒があったにもかかわらず、技術点では100点超えも果たした。

ジャンプだけではない。伸びやかなランディング、細かなエッジワーク、さらに柔軟性を生かした難度の高いスピンなど、全てがハイレベルでそろえる。ステップ、スピンでは最高難度のレベル4、表現力を示す演技構成点でも5項目中9点台を4つ並べた。19年GPファイナルでコストルナヤがマークした247・59点を更新する世界新記録となった。

そのコストルナヤ、シェルバコワ、トルソワの「ロシア3人娘」を指導するトゥトベリーゼ・コーチの秘蔵っ子。ファンの間ではその強さから「絶望」とも呼ばれる。まだ伸びしろを残しながらの演技。来週開幕のGPシリーズでは第2戦スケートカナダ、第6戦ロシア杯に参戦する。北京の主役の1人として注目度が急上昇していきそうだ。

演技構成は以下

<1>4回転サルコー

<2>3回転半(転倒)

<3>4回転トーループ-3回転トーループ

<4>3回転ループ

<5>4回転トーループ-1オイラー-3回転サルコー

<6>3回転フリップ-3回転トーループ

<7>3回転ルッツ